第73回
危険分散のために財産の三分のーは日本に残す
しかし、それでもカントリー・リスクは
依然として残っているのだから、
危険分散を考える必要はある。
実は財産三分法も
そうした考慮の下で考え出されたことであるから、
財産を多国籍化する場合も、
万一のことを考えて、国際的に三分すればよいのである。
日本人で、かつ日本に本拠を置いている人なら、
誰だって日本なら安全と思うだろう。
しかし、安全な日本では
有望な投資のチャンスになかなか恵まれない。
だから危険を承知で、
アメリカや香港に投資をしたりする。
いまのところ、アメリカへの不動産の投資は
アメリカのバブルの崩壊とドル安でうまくいかなかったが、
香港で不動産や株に投資した人は
かなりの成績をあげている。
もっと成長しているところということになると、
次は中国とか、ベトナムになる。
先走った人ならミャンマーではどうだ、
カンボジアではどうだという人もある。
自分の考え方に忠実に従って実行に移せばよいと思うが、
そういう場合でも、日本なら安全と思っている人は、
日本にある財産を、かつての財産三分法の現金くらいのつもりで、
少なくとも三分の一くらいは
残しておくことにしたらどうだろうか。
いや、もっと小心な人なら
半分を日本国内に残しておくほうがいい。
海外に持ち出した残りの半分は
損をしてなくなってしまうかも知れないが、
日本に残した分は金利程度の収入しかもたらさないのに対して、
海外に持ち出した分が倍に増えたとしたら、
自分の財産はあッという間に、
三分の二が海外資産ということになってしまう。
私自身そういう経験をしてきたので、
国際的財産三分法をおすすめする次第である。
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