目標は「中金」持ち!

第89回
決められた期日にお金を払い込まねば信用が得られない

さて、「中金持ち」への早道の条件の第四は、
貯蓄の精神があることである。
収入がほんの僅かしかないサラリーマンでも、
毎月のサラリーの中から何万円かの貯金をする人でないと、
事業家への道を歩むことはできない。

ケチケチ節約することと、
事業をやることと何の関係があるかと思うかもしれないが、
芸事に打ち込んでいる人なら、
遊んだり、お金を使うことがその人の血となり
肉となり得るとしても、
事業をやる人はお金がなくては身動きできない。

どんな小さな仕事でも元金になるお金が必要だし、
自分のお金で足りない場合は、
親兄弟や友人の援助も仰がなければならない。

その場合、人にはお金を出させるのに、
自分は出資するお金が全くないというのでは、
身内からさえ信用されない。

社会生活をしていく上で一番大切なことは、
周囲の人に信用されるかどうかである。
信用とは約束をきちんと守るかどうかによって決まることだが、
経済社会では、お金についての約束が他に優先する。

払う約束のお金を期日にきちんきちんと払えば信用されるし、
銀行とか取引先に信用されるようになれば、
必要なお金を用立ててもらえるし、
原料の仕入れやできた製品の販売もスムーズに流れるようになる。
そのためには、ふだんの心がけが必要であり、
たとえ自分の出資額は全体の十分のーにすぎなくとも、
金平糖のタネがなければ、金平糖はできあがってこないのである。

コツコツお金を貯えるプロセスには、
事業をやる人にとって必要な徳性と共通のものがある。
貯金をすることの中には、
先ず小さなお金もケチケチして節約する精神の裏打ちがある。
サラリーというのはみじめなほど少ないもので、
自制心がなければ、すぐにも足を出すし、出す足がなければ、
少なくとも一円も残らなくなる性質のものである。

それを毎月、何万円かでも定期的に貯蓄できるということは、
細かい支出を抑える訓練ができていることになる。
事業をやる人は大きく儲けるよりも、
小さな支出を抑えることができるかどうかによって
成否を左右される。
だからちゃんと貯蓄をしている人を見ると、
私は信頼感を強くする。





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2014年6月4日(水)

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