第102回
成功者に数えられる人はみなせっかち
私はこれまで多くの経営者の方にお会いしてきたが、
成功者に数えられる人は揃いも揃ってせっかちである。
何かを考えたら、それをするかしないかをすぐ判断して、
その場で実行に移す。
間違いがあったとしても、走りながら、
修正しながら物事を進めていく。
石橋を叩いて渡るというが、
叩いてから渡るのではもう遅いのである。
変化の速いいまの時代にチャンスをつかもうと思ったら、
やはり石橋は叩く前に渡らなければならない。
よく考えてからとか、
もっと情報を見きわめてからとか、
あるいはみんなでじっくり検討してからなどというのは、
要するに何もしないのと同じことである。
タイミングを失ったら、チャンスは逃げていってしまう。
ビジネスの世界では、
いろんな事情や情報に精通している人が
必ずしも成功できるとも限らない。
はじめてお会いしたときに、
こんなことも知らないのかという人でも、
人の言うことを聞いたり、本を読んだりして、
納得した途端にそれがその人の血となり肉となって
行動できる人が仕事のできる人である。
時代の動きに合わせて自分の考え方や
行動を修正できる人でないと、時代の波乗りはできないのである。
しかし、人間にはその人の器の大小があり、
また年齢の制限もあり、さらに時代の制約も受ける。
まず人それぞれに器の大小があるから、
勢いのよいときにはどんなに大きくなるか、
と目を見張らせるが、あるところまで来ると、
もうそれから先が止まってしまう。
そういう人にもっと先へ進めと言ってももう無理である。
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