目標は「中金」持ち!

第109回
サラリーマンが準備すべきことは定年後の設計

住宅不足が深刻だった昭和三十年代、
お金を儲けて少し余力ができた会社の中には、
社宅の建設に盛んに力を入れるところが現われた。
社宅は、社員の福祉のためにやることだから、
家賃など本当はとらなくてもよいのだが、
とらないと税務署がうるさいので、ホンの申し訳にとる。

その金額は世間の家賃の十分のーだったりするので、
社宅のない中小企業の従業員に比べると
大企業の社員は住居費がタダみたいなもので、
かなりの余裕ができる。

ならば節約をして、将来に備えて貯金でもするかというと、
月給がもらえなくなる心配もないし、
クビになって失業する心配もないから、気がゆるんで、
結局、無駄遣いをしてお金はなくなってしまう。

気がついてみたら定年も近くなり、
娘の縁談があるようになったというのに
自分の住む家一軒持っていない。
あわてて家を買おうと思っても、
二十年前にマイホームづくりを手がけた人々に比べると、
十倍もお金を払わされることになってしまうのである。

ようやく仕事にカの入る三十代から四十代のはじめ頃は、
人間、三年先五年先くらいのところしか見えないし、
自分のすぐ上か、同じ並びか、
後から追ってくる者の行列しか目につかないが、
五十の声を聞くようになると、
同じ会社の中で自分がどんな位置におかれているのか、
またどういう可能性が残っているのか
おおよその見当はついてしまう。
すると、が将来のことが心配になり、
五十五歳になるとノイローゼ気味になる。

サラリーマンが将来について
心配しなければならないとすれば、
それは多分、定年後の生活設計に尽きる。
定年後の生活設計がちゃんとできてさえおれば、
つまり死ぬまで、あまり収入も減らず、
健康で、サラリーマンの延長線上で
仕事ができていく見込みさえ立てば、
本当は一生、さして、
お金に縁などなくても別にかまわないのである。





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2014年7月23日(水)

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