目標は「中金」持ち!

第126回
小遣いの使い途に口を出さず、上手な使い方を身につけさせる

デパートや専門店などでは年に何度かバーゲンセールが行なわれ、
奥さんたちが行列をつくって
開店と同時に売り場に押し寄せるといった光景がよく見られる。
こんな光景を見ると、男たちはたいてい、
「あんなエネルギーがあったら、
もっと別なところに使えばいいのに」とか、
「すこしくらい安いからといって、
何時間も並んで買うような苦労をしなくても、
ふだんもっともっと節約できることは
いくらでもあるじゃないか」と冷ややかな目をする。

しかし考えてみれば、
これも上手なお金の使い方のーつである。
海外の人気ブランド品を安く買うために並ぶのは別としても、
どうしても必要なものを買うのであれば、
けっして無駄ではない。
私の母親は、下駄から塵紙まで家族の分全部を、
一年分まとめてバーゲンセールのときに買っていた。
毎日買うのは、食料品くらいのものであった。

日本人は物づくりには熱心だが、
お金の使い方はぞんざいなので、
店がつけた値段で物を買う。
買い物は下手な人が多いように思う。

その点、中国人は、貧しいせいもあるかもしれないが、
少ないお金でトクな買い物をしたいと思う人が多く、
どこに行ったら安い物が買えるか、
いつだったらバーゲンで安い物が買えるか、
よく知っている。

台湾や東南アジアのデパートに行くと、
バーゲンのときだけドッとお客が集まって、
ふだんは下見に来る人ばかりである。
私にもそういう習慣が身についているので、
子供たちにも、
お金の上手な使い方を身につけるように要求してきた。

これはやはり、
お金を自分の判断で使うように仕向けなければならない。
日本のお母さんは、子供が無駄遣いするのを恐れて、
毎月与えるお小遣いの使い方にまで口うるさく干渉する人がいる。
「あれを買ってはいけません、
これを買ってはいけません」と口うるさく言う代わりに、
お小遣いはやらないで、現物支給ですませる人もいる。
これでは、お金を使うチャンスがないから、
お金の使い方が上手になるわけがない。

親は小遣いの使い途にあれこれ口を出さず、
子供の裁量にまかせるべきである。
子供も最初のうちは、
もらったらすぐに使ってしまったりして失敗するかもしれない。
でも経験をつむうちに、欲しいものを最優先して買ったり、
あるいは同じものを買うにもどこで買えば
安く手に入るかといったことを知るようになる。

日本の親はそれをさせないから、
子供が大人になっても金銭感覚や
上手なお金の使い方が身につかないのである。
結局、近所で買えばいいとかデパートに行けば買える
ということになり、正札で買い物をしてしまう。

中国の人たちは、
お金持ちにかぎらずだれでも小さいときから、
どこで買ったら安く、お金を上手に使えるかを自然に覚える。
だから、モノの価格には非常に敏感で、
モノやサービスに対しては必要以上の対価を払ったりはしない。
ぜひ日本のお父さん、お母さんも、
子供の小遣いの使い方は子供の裁量にまかせてください。
それが、お金の生かし方を身につけさせる最良の方法である。





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2014年9月1日(月)

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