目標は「中金」持ち!

第136回
世界の文化はみな「成金」が作った その2

あるとき、新潟でその会議をやるつもりだったのが、
何かの手違いでホテルがとれなくなり、
急きょ、水上かどこかの温泉旅館で泊まることになった。

会議も終えてさあ宴会というときに、
ひとつ芸者でも呼んでにぎやかにやろうかということになった。
ところが、その日は日曜日で芸者さんは休みという。
そこをなんとか、と無理やり頼むと、
若いのはいないけれどそのお母さんくらいの年でもよければ、
というのだ。

この際だから年増でもいいやということになって、
とにかく何人か呼んでみて、
よければ追加してもらうことにしよう、と相談がまとまった。
ところがやってきたのを見ると、
お母さんどころか、お祖母さんみたいな人ばかりだった。

こんなとき、三味線に伴奏してもらわなくても
歌が歌える方法はないものか、
もしオーケストラをバックに歌えるようなものがあったら、
誰でも歌いたくなるんじゃないか。
それならオーケストラで演奏する、
バックミュージックだけのテープをつくればいいじゃないか、
という案が出た。
人が歌っていなくてカラのオーケストラだから、
「カラオケ」ということになったのである。

ところが、最初これを作ったとき、
アメリカで、カーステレオを売っている
アメリカ人のセールスマンに打診したら、
こんなもの売れるか、と押し返されたそうである。
その話を聞いて、私はクラリオンの社長さんに、
「人間というものは先入観があるから、
カーステレオが売れると思う人間には
新しい商品を売らせようとしてもだめです。
まったく別の人間に売らせないとだめですよ」
と言ったことがある。

はたして、日本でボツボツ売れるようになると、
ダメだといったアメリカ人たちが
一年一回の会議に集まってくると、
食事のあとマイクを手にして放そうとしない。
なかなかアメリカに普及しなかったのは、
アメリカ向きのソフトが間に合わなかったからなのである。





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2014年10月8日(水)

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