第4回
フランクフルトにようこそ
私が住まい始めた、僅か3年余りの間に、
フランクフルトから見えるアジアブームの波は
本当に大きくなりました。
時の自然な流れに乗っていて、
1つのうねりが次のうねりを呼ぶかのようになっています。
アジアブームの中のアジアという言葉は、
まもなく中国という言葉に
少しずつ置き換わってしまうのかもしれません。
昨年までは、有料だった中国語のミニコミ誌が、
読者やスポンサーが増えたことを示してか、
あるいはドイツでの競争が激しくなってか、
次々と無料配布になって種類を増やしています。
中を開けると、今、一番良い広告欄を占めているのが、旅行会社。
そして、貿易関係、厨房器具関係、
経理、法律、保険関係の大小の会社名が見えます。
この10月の誌面には、
2009年の国際空港周辺の開発事業計画を伝える記事の傍に、
フランクフルトの女性市長ぺトラ・ロートさんの名前が見えます。
彼女は、「世界的な金融都市であり国際交通の要所である、
フランクフルトへようこそ。現在、当地には銀行を始めとする
中国国家を代表される245企業のご進出をいただいています。
心より歓迎し、ますますのご発展をお祈り申し上げます…。」
という要旨で読者へのメッセージを寄せています。
歓迎の気持ちを伝えるメッセージは、
1国だけにではなく、どの国にも平等に送られるものでしょうが、
一般の読み手によく伝わる場所に、
あまりに静かに掲げられていたので、
私には、他所で見るよりも、より熱いメッセージに思えました。
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