伏見緑さんが語る「あなたの知らないドイツ」

第6回
ドイツで家具を買う

これまで使っていた借り物のベッドが、
どうも自分に合わず、身体に良くないことが分かりました。

そうと判ればすぐに分解して返却。
その午後には新しいベッドを購入すべく、
近所に開店した家具店を訪ねました。
ドイツでは日本のようにスピーディーには配達してくれないから
もしかしたら7日間くらい納期が要るかもしれないな、と思いつつ。

ドイツも日本と同じく最近になって景気は回復しており、
住宅やオフィスの新築ラッシュが続いています。
家具店も売り上げが増えているのか店を広げています。
とにかく、いくらネジを締めてもすぐに緩んでゆらゆらする、
安売り量販店の組み立て家具には、もうこりごり。
今度こそはドイツの“普通の家具”を必ず買うぞと張り切りました。

ドイツ人の家具に対する愛着心は、つとに知られるとおり。
代々使える良い家具をじっくり選んで、
ピカピカに磨きこんで使う…を
一度、私も体験してみよう、と今回は意欲満々。
広々とした売り場を回っていると、ぴたっと来るのがありました。

価格が安い量販店の3倍近い値ですが、家具としては良識的な値で、
なんとか予算内に収まりそうです。
詳しい説明を求めてみると、
金属を一切使わない、
ドイツ昔ながらの純粋な木製家具を作るメーカーとのこと。

なるほど納得と購入の手続きを済ませ…、納期を確認したのです。
お答えは、「8週間でございます」。
いくらなんでも、もう少し早くなりませんか?と押したら、
通常10週間をお急ぎのお客様のために当店では
“2週間も”特別に縮めておりますとのお話。

「ドイツ家具は納期も長い」と学習しつつ、
量販店が掲げるメリット「すぐにお持ち帰りできます」の
真の意味をその時やっと理解しました。


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2006年11月17日(金)

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