伏見緑さんが語る「あなたの知らないドイツ」

第7回
アンビエンテ

毎年2月にフランクフルトで開催されるメッセ(見本市)、
“アンビエンテ”は消費財の国際メッセとして知られています。
このところ毎年約4,600社の出展、
そして14万人を超える来場者数を維持しているようです。

消費財とだけ聞いてもピンと来ないので、私は心の中で、
暮らしのメッセと呼んでいます。
会場はギビング(ギフト商品)・リビング(居住空間アクセサリー)
・ダイニング(食器や家電、キッチングッズ)と
3つのカテゴリーに分かれています。
その年の商品の流行と
そして仕入れに奔走する各国バイヤーの動きを
つぶさに観察することができます。

更に具体的には宝飾品などデザインアクセサリー、
キッチングッズ、食器や家電、ガーデン用品、家具、照明器具など。
その年の新作披露を兼ね、
毎年大掛かりなブースを構える企業は少なくありません。

このところ興味深いのは、テーブルウエアや食器類の動向です。
アジア食のブームに乗り、ヨーロッパの有名食器メーカーが
アジア食を食べることを前提とした、
“アジア風“の洋食器のスタイルを
競ってデザイン発表するようになりました。

アジア食というのは、
タイ料理・ベトナム料理・韓国料理・
日本料理・インド料理・中国料理などをそっくりひっくるめて
欧州風に食べやすくアレンジし直した
アジアンティストであればOKのお料理。
食べるときに箸を使うのが“お洒落“です。

春巻き、串焼き、SUSHI…
大抵のブースが簡単なアジア屋台風のアジア食を前提とした、
お皿やディップ用の鉢を提案する中、
2006年会場では、中国料理を基本に据えた大掛かりなフルセットを
豪華に披露するブースが登場しました。

食器の側からアジア食のあり方を提案しなおそうとするかの勢いに
私はぐっと圧倒されました。
このセットが提案するお箸の置き方は…右側そして縦置きでした。


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2006年11月20日(月)

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