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         第9回 
          コーヒー 
        ドイツでは、コーヒーが本当によく飲まれています。 
        朝食は取らなくても、出かける前に飲む朝のコーヒー。 
          そして、皆が必ず意識して時間を取る“お10時”のサンドと一緒に。 
          あるいは、“遅めの昼食”もしくは、“早めの夕食”代わりの 
          泡立てた生クリームをたっぷり添えた焼き菓子と共に。 
          コーヒーの出番は1日のうちに何度もあります。 
        確かに、国別のコーヒー生豆消費量はドイツが年間54万トン余り。 
          アメリカの半分の量ですが、アメリカの次に多い国です。 
        カフェの表に並んだテーブルで、 
          午後の日差しを浴びながら過ごしている人を見ると、 
          皆々、好みのコーヒーをゆっくり口に運ぶ姿が見られます。 
        日本と同様にカップに注がれるのはノーマル・カフェ。 
          カップの上部に白くミルクが泡立つカプチーノ。 
          ホットミルクと合わさった、ラテ・マキアート。 
          小さなデミタスカップに濃くとろりとした、エスプレッソ。 
          どれもこれも、すでに日本でもお馴染みですね。 
        ここでよく飲まれているのは、深煎りで 
          日本のインスタント・コーヒーかと見間違いそうになるほど 
          細かなパウダー状に挽いた豆から注がれるコーヒーです。 
        ドイツのような硬水の国では、深くよく煎って 
          細かく挽いたコーヒー豆ならほんの少量で十分。 
          これにゆっくり湯を注ぐと乳製品の味わいによく似合う、 
          普通に楽しむには十分な、深い濃厚な味がたっぷり出ます。 
        缶コーヒーやインスタント・コーヒーなど加工品の種類や量は、 
          売り場に行ってもそう多くはありません。 
          けれども挽いた豆から注いだコーヒーを 
          いかにして味わうかということに関しては、 
          皆それぞれの好みがあります。 
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