伏見緑さんが語る「あなたの知らないドイツ」

第10回
アンティーク

このところ、時間をみつけては家具店を回り、
ドイツの家具のにわか勉強をしています。
量販店のものは、即日持ち帰りができて納期待ちしなくて済む上、
デザイン性が良く、価格も安いというメリットがあるのですが、
自分で組み立てなければなりません。

この組み立てがなかなかの曲者で
材料が重すぎて、
私のような素人には上手にきちんとできないのです。
何といっても地震が無いこの国の家具は重いのが当たり前、
これが転倒防止になり安全であるとされています。

高さ40センチあまりの小さな引き出し箪笥で重さが50キロ。
追加料金を支払って組み立てサービスを頼むと、
高いと言われる従来のドイツ家具の価格と
あまり変わらなくなるのです。

日本の本来の家具と同様に、ドイツにも末長く使えるように、
という発想があります。
「古くなったものを大事に手入れしながら使う」
という点では古今東西変わりありません。

面白いことに、
こういう昔ながらのドイツ家具を扱う店を回っているうちに、
新しいドイツ家具と共にアンティークを配す、というスタイルが
定番と言ってもよいほど、どの店にもあることに気が付きました。
そして意外にも、今回、紛いものではない本物の中国古道具が
ディスプレイの中に生かされていたのを見たのです。

特に今は、
ドイツの最先端を行くデザイン家具と共に飾られているのが
アジアのアンティーク、中国の古道具です。
新しいベッドの横に、ヴィトンの古い旅行用大型トランク。
そしてその脇に中国漆で塗られた商い箱。
真新しいデザイン・テーブルの横に、チベット箪笥。

アジアと欧州、そして今と昔。
時間と空間のコントラストが見事なディスプレイでした。


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2006年11月27日(月)

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