伏見緑さんが語る「あなたの知らないドイツ」

第12回
変化はチャンス

第2次世界大戦後に2つの国に分かれたドイツが、
再び1つの国として統一し、
現在のドイツ連邦共和国となったのは、
私たちの記憶にまだ新しい、1990年のことでした。
ベルリンの壁が無くなったのはそのおよそ1年前です。

2つの国が1つになるということは、
決して簡単ではないと、この国を
知れば知るほど痛感しないわけにはいきません。
けれども、壁が崩れたその時を大チャンスと
捉えた人も大勢いたのです。

あの時、世界中に飛び出していった若者らの中には、
アジアとドイツの架け橋として生きる道を選んだ者もいて、
ここ15年余りの成長を遂げている様子です。

旧東ドイツ出身という
30代半ばの青年の話を聞く機会がありました。

それは、統一直後、
インフラ整備に忙しい旧東ドイツに向けて
中国から安く建材を輸入する仕事に
一家をあげて取り組み、
後年、それなりの成果を得たというお話でした。
あの時、多くの人々が激しく戸惑う中、
彼にとってはチャンスであった、と。

もしも、現代のアジアとドイツとの間に、
今に繋がる、親しいご縁があるとすれば、
それは、昨日今日のものではなく、
連綿と繋がる歴史の中で育まれたものでしょう。


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2006年12月1日(金)

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