伏見緑さんが語る「あなたの知らないドイツ」

第18回
クリスマスのマルクト

12月の今、朝は8時過ぎに夜が明け、
夕方は4時には暗くなります。
この冬は稀に見る暖冬で、
日中の気温は未だ5度を越えています。
降るのは雪ではなく、雨ばかり。
この季節は、雪雲であれ雨雲であれ
朝からずっと薄曇りで、
陽射しを気持ちよく拝める日は
2週間に一度あれば良いほうです。

けれども、もうここまで来ると、
クリスマスまで、もうすぐ。
クリスマスを過ぎれば少しずつ明るくなる。

そういう前向きな気持ちでいるために、
厳しい気候であればこそ、クリスマスは
北国には無くてはならない年中行事だと知ります。

11月の末ごろから、各町ごとの広場で、
クリスマス用品を売るマルクト(市)が開かれます。
焼き菓子用のスパイス、砂糖菓子、モミの木飾り、
部屋の飾り、キャンドル、グリルしたソーセージ、
煮込んだ肉料理などの屋台が並びます。
極寒なのに、人恋しさも手伝って、
皆、マルクトにぞろぞろと集まってくるように見えます。

クリスマスのモミの木の市も、
12月半ばに押し迫ったこの頃がピーク。
その家に合うサイズのものを担いで帰り、
給水器が付いたスタンドに立てます。
最近は、モミの木アレルギーのお宅もあるとかで、
プラスチック製モミの木も使われるようです。

週末には、広場にある教会の前で聖歌隊の歌に、
スパイスとシロップを入れて温めた赤ワイン、
グリューワインを手にしながら耳を傾けます。

冬至は22日、クリスマスの少し前。
クリスマスを過ぎた頃、少し明るくなり始めたのかな、
と気づき、次の春を待つ行事に心を向けます。


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2006年12月15日(金)

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