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         第19回 
          BONSAI 
        今年初めて、一般小売店で 
          大掛かりな売り場を構えたアジア風商品は、 
          BONSAIでしょう。 
        これまでのアジア風のリビング・グリーンは、 
          笹の植え込みか万年竹でした。 
          これに、BONSAIが加わりました。 
        本当は「盆栽」と書きたいのですが、 
          すっかり日本離れした姿です。 
          四角い平たい鉢に植え込んだ小木で、 
          日本ではあまり馴染みがない、 
          柘植の一種かと思われる植物がよく使われています。 
        小さい、四角い。 
          剪定という動作を加え、 
          人工的に思い通りの形にする。 
          けれども、造花ではない生きた植物。 
          こういう姿に“アジア的“とぐっと来るようです。 
        ドイツでは、生き物(動物も植物も)は、 
          実際に手塩を掛けて育てるものという感覚が強くあります。 
          ガーデニングの延長で、BONSAIは 
          ドイツ人の感性にも受け入れやすいものかもしれません。 
        けれども、にわかブームとして始まったなりで、 
          消えかかっています。 
          どうやら、BONSAIマイスターが不在なようです。 
        手の平に乗るほど小さいものが、およそ5ユーロ。 
          1メートルほどの大きなものがおよそ100ユーロ。 
          剪定鋏と液体肥料が付いた、 
          BONSAIセットはプラス5ユーロほど。 
          BONSAIの本も店頭に現れています。 
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