伏見緑さんが語る「あなたの知らないドイツ」

第21回
ドイツチーム

そしてこのサッカー大会では
誰の目にも明らかなほど、皆々
ゲームの進行状況に釘付けになっていきました。

ドイツチームが出場するゲームの真っ最中、
郊外の通りには人っ子一人、姿が見えず。
フランクフルト市内でさえ、
道を走る車は減り、電車の乗客もまばらでした。

「ドォィチェラ〜ン!ドォィチェラン!ドォィチェラン!」
という声援が家々の開け放った窓から聞こえ。
ゴールが決まれは、
一斉にウォ〜ツ!と歓声が聞こえ。

ドイツ勝ちと決まれば爆竹が鳴り、通りのアパートの
窓という窓からドイツ国旗が掲げられるようになり
そして、その数が日に日に増えます。

一般人のマイカーやトラックはもとより、
ドイツの郵便局、ドイチェ・ポストの集配車にも、
消防自動車でさえ、ドイツ国旗を翻しながら走りました。

そして勝利と決まった瞬間、
パトカーから身を乗り出して、
大きなドイツ国旗を振って歓喜する、
警官の姿も見えました。

それを見て、決して負けるものかと、
イタリア・ブラジル・アルゼンチン…と
堂々と母国の旗を掲げる窓も日増し増えます。
街の中では、応援チームのユニフォームで闊歩する姿が増え
それはそれは、賑やかな光景でした。

日ごろ、サッカーに関心があるかないかは、
その頃には、誰にとっても、もう全く関係なかったのです。

皆、ひたすら自分の母国や贔屓チームの
活躍ぶりを誇りにし、そして自慢に思っていました。
日本チームのブルー・フラッグが
姿を消した時には、私も本当に残念無念でした。


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2006年12月22日(金)

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