伏見緑さんが語る「あなたの知らないドイツ」

第23回
次の夏休みはどうするの?

ドイツでは、
「1年の計は、クリスマス休暇にあり!」です。
元旦では、ほんの少し遅すぎるでしょう。

クリスマスの余韻が残る、ちょうど今頃、
ドイツのカレンダーでは半年先のページを開いて
「来年の夏休みをどう過ごすか?」を
目下、真剣に検討するシーズンの最終ステージです。

家族親戚がゆっくり集まって過ごすこのクリスマス休暇に、
来年6月から9月の間に取得する夏休みを
どこでどう過ごすかを話題にするどころか、
具体的な行き先と日程、そして予算を
決定してしまう家庭が少なくありません。

早すぎますか?
年明けすぐの旅行会社の営業日を狙って、
格安ツアーの申し込みが殺到するのですから、
早すぎるなんてことはありません。
むしろ出遅れて、
格安で予約を押さえられない、その時が大変です。
夏のプランを全て最初から、
考え直さなければならないのですから。

遠くに長く旅したり、あるいは、例年より、
ちょっと良いホテルを予約したりしたければ、なおのこと。
業務年度が始まる1月から
ちゃんと旅行の手はずを整えていかないと、
それこそ手遅れになるでしょう。
普段よりもっと節約倹約に励んで、
ちゃんと旅行の費用を確保しなければ、そして、
有給休暇もちゃんと夏のために確保しておかなければ。

職場や仕事の都合は?
心配ご無用、「私は休暇中です」。
労働者のこの一言は、
水戸黄門の角さん掲げたる印籠のごとく、何より強し。

子どもたちの学校や幼稚園の都合は?
学校年度は、すでに先の9月にスタート。
休暇などの年間予定は全て通知済みです。
学校の先生方もちゃんと休暇取得しなければなりません。

休暇前に集めたたくさんの旅行パンフレット、
常夏のビーチへ誘う、テレビの旅行番組、
番組の合間に流れる世界各国の観光コマーシャル。
そういうものでたっぷり旅行気分に浸りながら、
雪降り積み、真っ白になった屋根を横目に、
来る夏の休暇の予定を最終決定します。

のんびり、ゆっくりに見えるドイツの舞台裏は、
日本より半年早いプラン作りで
全ては、もう始まっています。


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2006年12月27日(水)

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