伏見緑さんが語る「あなたの知らないドイツ」

第25回
新年は花火と爆竹で

新年のお慶び申し上げます。
本年も、どうぞよろしくお願い申し上げます。

新年に日付が変わるとき、年越しのカウントダウンと共に、
それっ!と花火や爆竹が一斉に鳴り響くのが、
ドイツの年迎えです。

さらに各市町村の全ての教会が一斉に打ち鳴らす
鐘のガランゴロンという大音響と
車のクラクションなどあらゆる音が
鳴りに鳴りっぱなしとなる小1時間。
この大音響の騒ぎっぷりは、中国の春節を祝う爆竹に
一寸もひけを取りません。

どうして、こうなるのでしょう?
答えは単純明快、そういう具合になってしまう
「キマリがあるから」です。
一般家庭で、役所の事前許可無しに、
自由に花火を打ち上げて良いのは、
「大晦日の午後6時から、元旦の午前1時まで」。
何と言っても、全ての焦点は
新年、ぴったり午前零時に合わせられています。

平素には、昼間の正午から午後3時
そして、夜間は「お静か時間」。
すなわち騒音を出してはならない法律があります。
とかく隣人同士の「静寂」については
ことごとく煩いこの国にしてみると、
カウントダウンと共に着火される新年花火は、
年に一度の大無礼講。

皆々、この瞬間のため、大晦日までに、
花火をたっぷり買い入れて、待ち受けているのです。
この花火へのワクワク感とその賑やかさは、
打ち上げ花火、ロケット花火や爆竹の火薬の匂い
と煙、爆発音に包まれ最高潮になります。

大人の腕ほどの大筒の花火も、団子のような大爆竹も、
ごく普通の家庭から「戸別に」、
しかも零時きっかり、「一斉に」着火するのですから、
ライターを手にしたカウントダウンへのその鼻息たるや、
恐らく皆様の想像を絶するでしょう。

広い庭がある家ばかりではないので、
道に溢れて出て着火する量も相当なもの。新年の朝には、
花火の燃え殻が見事に山となって散らばっています。

中国の花火の輸出額は年間4億ドルに達する
世界最大級とか。しかも、その8割近くは、
欧米に輸出されているとのこと。
ドイツも、間違いなくその大得意先です。


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2007年1月1日(月)

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