伏見緑さんが語る「あなたの知らないドイツ」

第28回
欧州旅行のお土産は?

すでに、年間100万人を越える中国からの
観光旅行客を迎えるEU圏では、
その余りの観光客の多さが、
とうとう町のお土産売り場を変えている、
と言わざるを得ないでしょう。

この寒い冬空にも大人気なのは、お隣の国、
フランスの花の都、パリです。
フランクフルトは、冬の観光地としては人影まばらです。
ただ、EU圏を出国の交通要地としての座を
他国に譲るつもりはないらしく、2009年完成を目指して
フランクフルト空港周辺整備事業が進められています。
そして、乗り換えのために町を素通りするのではなく、
お帰りになる前にも、もっともっと、たくさんの買い物を
していただこうという計画です。

そういうわけで、
欧州旅行のお土産に皆が一体何を買われるのか、
という興味を持たないわけにはいきません。
ブランド衣料品、時計、宝飾品売り場の賑わいは、
観光シーズンには黒山の人だかりになるほどです。
出入り口のガードマンが、3年前にはたった一人で
暇そうに立っていましたが、観光客が多い夏から秋には、
2、3人配置されていました。

そして昨年の夏には、ドイツのステンレス製の
寸胴鍋のセットで、重くて大きな箱を抱えて帰る人の姿も
本当に多かったのです。
新婚旅行中の若いご夫婦だけではなく、
老若男女に関わらず、ドイツ製の寸胴鍋5個セット
およそ150ユーロの大箱を抱えて帰られていました。

大きいもので直径も高さも30センチ余り、
小さいものでも、15センチほどもあるのです。
鍋底は1センチ余りあり、ゆっくり温まり、
ゆっくり冷める保温性機能があるので、
この鍋は、煮込み料理には最適です。
材料を入れて一度、沸騰させた後は熱源を切って
放置するだけで、肉も野菜も軟らかく煮あがる
とても経済的な鍋ではあります。

中国料理には欠かせない
高温の油でさっと「炒」める調理には向かない鍋なのだけれど、
という私の心配を他所に
1セット、2セットとまとめ買いをされています。
あまりの人気に、百貨店のキッチン用品売り場では、
この寸胴鍋の「セット売り場」が
あっという間に2倍ほどに広がりました。


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2007年1月8日(月)

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