伏見緑さんが語る「あなたの知らないドイツ」

第30回
中国製品がアフリカをシェイク?

ドイツ版蚤の市、フローマルクトの近年の変化の一つに
アジア人オーナーの中国製品の出店が
増えるのと並行するように、アフリカからの出店も
同時に増えている、ということがあります。
増えると言っても、100軒の出店のうち、1軒現れはじめ、
そろそろ、4、5軒ほどになる、という段階です。

まだ、注目するほどではない、と思われるかもしれませんが、
中国製品も自称アフリカ製品もあまりに素材の質感が
良く似ているので私には気になるのです。

売り物は、旅行カバン、スポーツ靴、ビーチサンダルなど、
ブランドもどきも時々登場します。
こういうプラスチック製品を大量に安く売るお店は、
何故か皆「アフリカ」という看板を掲げていて、
アフリカのどこの国の生産、とは書いていません。

中国製品も、自称アフリカ製品も、
さほどの値段の違いも、品質の違いもないのですが、
強いて違いを探すなら、
その材料費の違いはどこへ行ったのと尋ねたくなるほど、
体格の違いを反映して商品のサイズが違います。

客足が増えてきた時間帯を狙って、
アフリカ出身というの売り子さんが、
威勢の良い声を響き渡らせます。

「ぜ〜んぶ、全部、全部、ぜぇ〜んぶ!
手にとぉってぇ〜、ご覧よッ!全部、アフリカ産だよッ!
皆、アフリカから出せるものと言ャ〜、
ゾウさんの木の彫り物とかァ〜、
キリンさんの木の彫り物とかァ〜、
皮を張って作った太鼓ばっかりッてェ、
思っていやしないかィ?

ちゃ〜んと、ちゃんと、ちゃんとッ!
ほれッ!立派なカバンがァ、全〜部、アフリカ産!
アフリカ産だから、ぜェ〜んぶ、安い!やすぅい!
品物もカンペキィッ!」

ふうてんのトラさんのように
あまりに愉快で上手な売り声だったので、
その前を通る人が思わず苦笑しながら
品物の前で足を止めます。

何故、急激にこのようなプラスチック用品が
アフリカから溢れてドイツまで
やってくるようになったのでしょう。

アジアショップ店Aさんのビーチサンダルと
フローマルクト店Bさんのビーチサンダルとは、
強いて比べるなら、商品のサイズが、
アジア版よりアフリカ版が2回りほど大きいだけだと、
私には思えてしまうのです。


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2007年1月12日(金)

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