伏見緑さんが語る「あなたの知らないドイツ」

第48回
中医学ブームの波は

フランクフルトにも、少しは中医学ブームの
波が来ているのかなと思います。
でも、この波は、アジア食ブームの波に比べると、
まだまだ小さな波にすぎません。
小さいですが、やがてゆっくり育ちゆく波であり、
消えゆく波ではないでしょう。

ドイツ人の一般家庭にアジア食が登場するということが、
どれほど画期的で、そしてどれほど驚くべきことか、
という点について、私は詳細をまだお伝えしていませんが、
その波は、少なくとも、店頭に並ぶ食材や
調味料の種類を増やし、調理器具や食器のデザインまでも
アジア風にしてしまおうというほど大きな波になりました。

その背景には、欧州企業の駐在員として、
中国に滞在経験したドイツ人が続々と続いており、
そして、先兵隊として出た方々が続々と
ドイツ本国に帰国していることがあります。

彼らのほとんどは、
行きには、未知なるアジアに不安を抱きつつ出かけたとしても、
滞在を多いに楽しみ、安価で美味しいアジア食に親しみ、
帰りには、本当に良い思い出を胸にドイツに帰国しています。
夫婦でアジア食材店に出かけて、
「あの時食べたのは、確かコレよね…」などと囁きながら
より本場中国の食材や調味料を必死に求める姿は、
一種の「アジア通」のスタイルであり、滞在経験者そのものです。

中医学の方はどうでしょうか?
鍼や灸、そして漢方薬には熱烈な魅力を感じつつも、
実際にトライするまでには何かのきっかけと、
ちょっとした勇気が要りそうです。

中国に外国人向けの鍼灸院ができて大当たり、という話は
昨今登場したばかり。
そんな現地での体験が良い思い出となって
ドイツに到着するころ、フランクフルトにも、
中医学ブームの波がもっと広がることでしょう。


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2007年2月23日(金)

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