伏見緑さんが語る「あなたの知らないドイツ」

第55回
香港・タイ・トルコ…アンビエンテ2007

およそ1ヶ月前の2月9日から4日間、
フランクフルト・メッセで消費財の世界見本市、
アンビエンテ2007が開かれました。

食器・キッチン用品・家庭電器・家具・インテリア用品・
照明・ギフト小物・アクセサリー・子ども服・文房具など。
出展対象商品も広範囲ならば、
出展ブースも多国籍の4600ブース以上、
また14万人を越える来場者も世界各地からという多様性は、
恒例ながら、フランクフルトらしい光景です。

さて、今年は会場の中のパビリオン宣言、
まとまった単位での出展参加を
国を挙げて広く宣伝していたのは
香港・タイ・トルコの3つの国でした。

「香港」という名は見えても、
「中国」とは出ていなかったのが印象的でした。
龍や鳳凰が舞うこれまでのアジア、アジアしたデザイン提案は
「香港」会場には見られません。
むしろ、軽薄短小を前面に打ち出した、
プラスチックのキッチン用品やオフィス用品など
スタイリッシュで都会的な「東京」ともみまごうほどの
モダンな「香港スタイル」を提案しています。

タイは、これからの工業製品の輸出を暗示するかのような、
3年前ほどの中国ブースに似た雰囲気の展示でした。
価格の安さを強調した、カラフルなプラスチック製品、
イグサや竹、籐をふんだんに使った家具や手工芸品、
大型の植木鉢やガラス製品のブースが多かったのです。

トルコは、「欧州」の新たな玄関口となるために、
目下PRの手を緩めることがありません。
会場では、「トルコのキッチンウェア」
というカラー雑誌を無料配布。

その雑誌では、
「トルコは、欧州の新たな工業国。
特に食器やステンレス製、プラスチック製キッチン用品の
国外輸出額は今や世界5位。
特にプラスチック製キッチン用品の輸出額は、
2000年に比べて、2006年には、
4倍に拡大しています。
欧州デザインをよく知る国、トルコとして
アジアでの見本市にも積極的に参加します。」
という内容を勢いよく強調しています。


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2007年3月12日(月)

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