伏見緑さんが語る「あなたの知らないドイツ」

第58回
漢字ブーム

ゆったりとしたアジアブームに乗っている証なのか、
何故か「漢字」がブームです。
ただ、もはや「愛」や「平和」では物足りなくて
もっと違う漢字を、という勢いです。
アジア産衣料が巷に溢れるようになるにつれ、
何かと「漢字」がプリントされるようになりました。

今では、コンピュータを使って文字を
そのまま画像としてコピー&ペーストできるので、
衣服にプリントするのも実に簡単。
「激」、「辛」、「棘」とカップラーメンのラベルから
取ってきたような「漢字」がGパンやベルト、
Tシャツなどに印刷されて乗っかっています。
たまに、天地左右が逆になっているのはご愛嬌。
衣類だけでなく、タトゥ(刺青)にして
身体を飾るファッションにもなっています。

ちょっとしたアジア食をお箸を使って
上手に食べられることと同じくらい
「漢字」を見てその意味をすぐに理解できることは
アジア通として「お洒落」なことになったようです。
メアリーとか、ベンジャミンなどという名を漢字に
直してくれ、その漢字での名前の意味を教えてくれ、
などという、「余興」を頼まれることもしばしばです。
当て字を考えるにも限界があるので、
日本語の音訓読みでも何でも良いから、
パソコンの変換キーで何か適当なものが
すぐに出てきたらよいのに、と思うほどです。

でも、現実としては、
日本人が、かつて意味を良く知らずに、
英語のロゴが並んだTシャツや布バッグを持って
カッコイイ!と喜んだときと同じように、
奇妙な単語を並べる結果になっています。
今までに道を歩いていて遭遇したビックリNo.1は、
スキンヘッドの首元に黒々と「魚」というタトゥ、
何故か「元旦!」という字が躍るジャケット姿のお兄さん。

また、本屋に立ち寄ると
日本語と中国語をこの際、一緒に覚えよう!という趣旨の
ドイツ語本があり仰天しました。
「これらの国は古くから歴史的な繋がりがあるので、
文字(漢字)の中には同じものがある。
この際、一気に2ヶ国語を勉強してしまおう!」
と提案しているこの本、「馬」、「日」、「月」など
漢字の意味や成り立ちを解説しながら
日本の小学1年生の教科書に出てくる程度の漢字を
網羅しています。


←前回記事へ

2007年3月19日(月)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ