伏見緑さんが語る「あなたの知らないドイツ」

第60回
ドイツにも英会話スクール

「英語」は、アルファベット圏とはいえ、
ドイツ人にとっても、
非アルファベット圏の日本人と同じく、
努力して習得する「外国語」であることに
変わりありません。

英語のみならず、お隣同士の国の言葉も、
そう簡単に誰もがすぐに分るものではない様子です。
母国語と似た単語も文法もたくさんあるだろうに、
え、どうして?と思いたくなります。

ドイツでは、小学校からの第2外国語としての英語に続き、
中学校で第3外国語として、
フランス語・スペイン語・ラテン語などの中から
もう1ヶ国語の欧州言語を選択して勉強しています。
アジアでならば、母国語と英語の他に、
アジア圏の言語をもう1つ選んで勉強しているスタイルです。

「うちの子はフランス語を選択したのだけれど、
これが本当に難しくて…」というドイツ人の話や
「子どもがあまりに英語を話せないので、
今度の夏休みには、イギリスでの
英語キャンプに参加させようと真剣に考えている」、
などというイタリア人の話を聞くと、
彼らが英語や互いの欧州言語を習得するのにそこまで
努力や苦労が必要なものかと、驚いてしまいます。

考えてみれば、日本語の中でいくらか漢字に
親しみがあったとしても、努力なしにいきなり
日本人が中国語をペラペラ話せるわけではありません。
また、漢文の授業を思い出しながら、
中国語の本をぱっと読めるか、と言えば
そうではない、この難しさと似た感覚があるようです。

ということで、
ビジネスや旅行では何かと英語が欠かせないと、
日本と同じく、ドイツの書店にも英語のテキストが並び、
駅前には英会話スクールの広告が盛んに出ています。

ただし、この場合の英語は、
イギリス英語の「英」語の意味であって、
アメリカ英語の「米」語とは区別されています。
ドイツの子どもらが学校教育の中で
訓練されているのは「英」語です。
また、私たちが、日本の中で長年勉強していたのは、
どちらかというと「米」語であったようです。


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2007年3月23日(金)

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