伏見緑さんが語る「あなたの知らないドイツ」

第61回
WASABIなら大好きです

アルファベットでSA・SI・SU・SE・SOは、
一般的なドイツ語では大抵、濁音になり、
「さしすせそ」ではなく、
「ざじずぜぞ」と読みます。
日本の氏名で、その中にサ行の発音がある人は、
ドイツ語読みされると、
まるで、別人の名のように聞こえることでしょう。

このWASABIも本当は、
山葵(わさび)と呼びたいのですが、
フランクフルト辺りなら、
「ワザァビ」という具合に聞こえるかもしれません。

さて、このワサビ、寿司(SUSHI)ブームにあやかって
粉ワサビ・チューブ入りワサビともに、
スーパーの棚にずらりと並ぶようになりました。
アジア食ブームで、ワサビ味のスナック菓子、
ワサビ味のディップソースになって、
ドイツの食卓に快進撃の最中です。

もともと、ドイツ料理には、「辛い!」という味覚の種類は
ほとんどありません。塩辛さか、コショウ辛さ、
一番は、新鮮なホースラディッシュの
目玉が飛び出るほどツンとくる辛さでしょう。
ゼンフと呼ばれる、黄色いマスタードはどちらかというと
ドイツでは酸味の強さが主体なような気がしています。
本格的な唐辛子辛さは、まだ、どうも苦手そうです。
日本ではやや甘く感じるほどのマイルドなパプリカが
ドイツ料理の中では、
「ピリ辛」調味料としてよく使われています。

こういう中で、WASABI辛さが受け入れられるのは
「こんなに辛いものも平気で食べられるんだぜ!」という、
ちょっとした「アジア通」スタイルのように見えます。
でも、このようなワサビ加工品の原料は、本山葵ではなく、
大抵はホースラディッシュなのだそうで、
ドイツの人がこの味が好きでもともと、
辛くてもたっぷり食べられて当たり前かもしれません。
大きなスプーンにてんこ盛りのWASABIを醤油にといて、
SUSHIにつけて食べます。


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2007年3月26日(月)

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