伏見緑さんが語る「あなたの知らないドイツ」

第62回
夏時間になりました

先日、3月25日、日曜日の午前2時に
日本とは1時間、時差が減って夏時間になりました。
さきほどまで、午前1時だった時刻が
一瞬にして午前2時になります。
1時間、トクしたような、損したような。
年に2回、冬時間・夏時間の切り替えのために
時計の針を合わせ直すのを何度経験しても、
日本の中にない習慣だけに毎回、奇妙な感じがします。

ただ、太陽の動きを年間を通して観ていると、
日本で話題にしていたように、
「夏時間にすると、日中の明るさを有効に利用できるので、
省エネになるかもしれない」という意味付けよりも、
「こうでもしないと、その日のうちに陽が沈まない」、
という問題対策のようにも見えてきます。

このまま、夏至を迎えるまで、
ぐんぐん昼時間が長くなります。
フランクフルト周辺では、夏至が近づく
6月ごろには朝4時から夜明けが始まり、
夜11時にやっと日が暮れるまでとなります。

夏の太陽は、早朝から天をぐるりと大きく昇ったきり。
逆に冬至の頃は、朝8時すぎに日が昇り、
地上近くを控えめに転がるような軌道を通って
さっさと午後4時には地に沈みます。

夏の間は、いつまでも明るすぎるので、
日本でいう夕暮れの時間に
月の光も星の輝きもほとんど見えません。
月や星が美しく見えて親しめるのは、
「冬だけ」の風物詩です。

このあまりに劇的、極端と言えるほどの
冬と夏の日照差、昼夜の時間差、
季節感の違いを一度体験すると、
日本語の夏・冬という言葉と
ドイツ語の夏・冬という言葉が持つ意味が
全く同じものとは思えなくなりそうです。
そして、アジアの四季のなんと穏やかな変化で、
年間を通じて一定していたことか、と気づくのです。


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2007年3月28日(水)

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