伏見緑さんが語る「あなたの知らないドイツ」

第64回
DHL(ディハーエル)

アジアではどちらかというと、
ドイチェポストよりもその子会社である
国際宅配便を担当する部門、
DHL(ディハーエル)の方が馴染み深いかもしれません。

例えば、日本の郵便局の窓口を使って国際小包を
ドイツに送ると、ドイツ国内では大抵DHLが配達に来ます。
DHLが配達に来たときに、もしも、不在であれば、
最寄のドイチェポスト、つまり郵便局まで
自ら取りに行くよう不在通知が入ります。

他の宅配業者が全く無いわけではありませんが、
一応、個人レベルの普通の用事ならば、
ドイチェポストだけで、国際便・国内便ともこと足ります。
この間、DHLとの仕事領域の違いを
個人が強く意識することはありません。
町の中の普通の郵便局が宅配業務と郵便業務を
国内外で一挙に実施している格好です。

さて、このDHLは、2002年にドイチェポストの
完全な子会社になり、
2004年には、香港国際空港にハブを設けました。
2007年に入ってすぐからは、
アジアでのニュースにもなっているとおり、
「成長し続けている中国」に向けて、
約10億米ドルを投資するよ、
というアナウンスがありました。
そして、香港を中心とした施設充実をするよ、
今後の中国の地方都市の成長を見越して、
中国の国内航空郵便事業に力をいれるよ、
などという内容の一般告知が続いています。

また、この2月に入ってから、ドイチェポスト・DHLは
「次なる中近東の成長を見越して」、
ドバイでの施設充実を積極的に展開し、それに関連した
雇用も確保していくよ、というアナウンスも始めました。

「二兎を追う者、一兎も得ず」ではなく、
「一挙両得」を目指すようです。
でも、「アジアのことわざでは、
たった2匹のウサギさんでいいの!?」と
驚かれました。ドイツのことわざでは、
一挙に複数の優れた成果を得ることを、
「(蝿叩きの)一撃で、7匹の蝿を捕まえる」
というのだそうです。
どうして、蝿なの?と言いたくもなりますが、
ここぞ!と目標を定めたときの意志の強さ、
行動の素早さを感じます。


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2007年4月2日(月)

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