伏見緑さんが語る「あなたの知らないドイツ」

第69回
16歳以下の人の観賞をお勧めしない番組

毎晩、夜10時になるころには、
一般の子ども向けのテレビ番組は終了です。
クリスマス休暇や、イースター休みなど
特に休日が続くシーズンには、
午後8時から、午後10時までのおよそ2時間の間、
やや長編の子ども向け、ファミリー向けの
映画やアニメが番組に組み込まれています。

「この番組なら、皆で一緒に観よう」と、
親子ともども休日を楽しむために、
少し夜更かしを許し、親子の共通時間を持つよう促す、
という趣旨の番組のように見えます。
2時間以上のフィルムの場合には、
連続した数日に分けて放映されます。

こういう特別な子ども向けの放映時間には
世界各国の作品がピックアップされています。
私が気づいた限りでは
日本のものでは、これまで、
スタジオジブリの作品が2件ほど放映されていました。
吹き替えなので、キャラクターは皆、
すばらしく流暢なドイツ語をしゃべります。

一方、表題のように10時を過ぎたころに、
突然、「只今から放映する作品は、
16歳以下の方の観賞をお勧めいたしません。」という
画面での文字の表示だけではなく、
音声での注意アナウンスが入る番組もあります。
艶かしいという場合もあるようですが、どちらかというと
「観賞するに過度な暴力行為があり、
16歳以下の人が見る映画として適切でない」
とされた映画が多いのが特徴です。
この日にはベトナムを舞台とした戦争映画が
その対象でした。

映画番組だけではなく、ゲームなど現実から離れた
架空の世界のストーリーであればあるほど、
対人暴力という点について指摘をする姿勢は、
大変厳しいお国柄です。
16歳あるいは12歳なりの一定の年齢を表示した上で、
「この年齢以下の子どもに見せる作品として勧めない」と
暴力というポイントから
シビアなコメントが付くのをよく見かけます。

キオスクなどで売られているテレビ番組雑誌を開くと
「特にこの年齢の子どもにお勧めの番組」
というマークとその逆に
「この年齢以下の子どもの観賞をお勧めしない番組」
というマークの、2種類の表示がみられます。


←前回記事へ

2007年4月13日(金)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ