伏見緑さんが語る「あなたの知らないドイツ」

第77回
そろそろ年度末

5月の初夏の陽射しとともに、
そろそろ「年度末」がやってきます。
学校では、日本でいう3学期に入った頃に相当します。
さあ、あと少しがんばれば、6月、
そうすれば待ちに待った夏休みもすぐにやって来る、
1年経つのは早いねぇ、という気分になる頃です。

さて、前年会計年度を〆めて税務署に申告するために
この夏休み前には、是非とも一仕事終えなければなりません。

前年の1月1日から12月31日までの会計年度を
〆めて申告する最終期限は、5月末日。
日本と同じく、ドイツでも個人や法人の会計を税務申告し、
必要に応じて還付を求めることができます。
例えば、移住ならば、それに応じた税控除があります。
ただし、還付金を得るには、
1円でも多く取り返す、強い気力も必要ですが。
でも、大抵のドイツ人は、
当然とばかりに考え、しっかり努力します。

前年の会計、例えば2006年中の会計を〆て、
状況に応じた税還付を申請できる期限が、5月末日。
もっとも、申請受付の開始は1月1日から始まり、
5月末まで5ヶ月間もあるので、
少しでも早く還付金を得たい人は、
もっと早くに手続きを済ませています。

実際には市販の会計ソフトの助けを借りて、
申告書を自力で書く人も少なくありません。
もしも、サラリーを貰う身であっても、
日本のように職場で何もかもやってあげます、
あなたは、税務署に行く必要はありませんよ、
と、いうような「ご親切」は無いです。

税に無関心であれば、
無言でガバッと持っていかれる一方です。
還付を得るという、個人の権利を行使するか否かは
個人の行動に委ねらており、ここでも、
「自ら努力する者が報われる」のドイツ式。

けれど、毎年ドイツの税関係の複雑な法令に神経を配る
と考えただけでも頭痛がします。
似ているけれど日本と全く同じ税制というわけでもなく、
加えて猫の目のように毎年、税制度が微妙に変わるので
私のような素人にはお手上げです。
結局、きちっと相談できる税理士を探すのが近道です。
ドイツの税理士に相談するには、弁護士と同様に、
相談時間に応じた相談料が要ります。
そして、もしも還付申請書の作成を依頼するならば、
その所用時間に応じた報酬金も支払います。
これらを支払ってもなお、還付を申告したほうが
良い場合が多いのです。


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2007年5月2日(水)

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