伏見緑さんが語る「あなたの知らないドイツ」

第82回
日本人ってアメリカン・スタイル

「ははん、やっと分ってきた!
要するに、日本人の生活ってアメリカン・スタイルなのね!」
と、私の話を聞き終えるやいなや、
そう叫んでようやく納得と、喜ぶドイツ人とは対照に、
今度は私の方が面食ってしまいました。
え〜、そんなに日本って、アメリカ風だったっけ?
聞き返してみると、どうやら日本人の生活って本当に、
アメリカ式なのねという意味のようです。

ドイツの人から、あなたの母国の日本とは
一体どういう国なのか、と興味を持って
聞かれることがあります。
日本では、皆、毎日、夜遅くまで働いていること、
子どもたちは電子ゲームに熱中しつつも、
夜遅くまで塾などに通って勉強していること、
休暇が少ないこと、病欠は大抵有給に含むこと。
一家に一台欲しがられている家電やその大きさ、
続々登場するパソコン、携帯などの電子機器や
ゲームソフトの新商品のこと。
大勢の日本人が欲しがる欧州のブランド品のこと、
女性のお化粧のこと…
問われるままに、そういうものを
一つずつ挙げて答えていくと、ふむふむと頷きながら、
彼らにとってのニッポンのトータルイメージは
ざっと、アメリカン・スタイルになるようです。

アメリカ式の生活、つまり、
日本は、消費意欲に満ちた生活で
経済が成り立っているのでは、とのこと。
おや、そう言われてみれば、確かにそう!と
指摘されて初めてこちらが妙に納得します。

ドイツのごく普通の日常生活は、消費とは程遠い
実に節約精神に満ちた世界。
私も、彼らと共の社会に入っていくために、
「私は節約をしたいのです。
私に節約の仕方を教えてください。」
と頭を下げて回るところから全ては始まりました。
まるで息抜きのように、消費にスイッチ・オン、
日頃の節約の成果とばかりに消費的に過ごすのは、
季節の行事や長期休暇など。
これがヨーロピアン・スタイルなら、
日本人って、やっぱりアメリカン・スタイル?


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2007年5月14日(月)

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