伏見緑さんが語る「あなたの知らないドイツ」

第98回
お金が無くてもできること

「自然のまま…の姿をベストとする」のが、
欧州のロマンティシズムならば、
これをもう少し、現実的に表現すると、
「原始、野生に戻るような生活スタイルを良しとする」
のが欧州理想、となります。
これを実現するために、
「お金が無くてもできること!」がいくつかあります。

サンオイルを塗って日光浴、もその一つで、
「自然の中で過ごしている」ことを至上の慶びとする
一種の自然に過ごしたいという願望のスタイルなのかな、
と思うときがあります。

まず、夏の日差しが始まるころになると、
皆、さっさと水着に着替えて、
大判タオルや毛布を敷き公園や川辺、自分の庭先で、
半日、ただ、ひたすらに、
ごろんと寝そべって過ごしています。

水着はここでは「日光浴着」です。
老いも若きも年齢には全く関係なく、サングラスをし、
サンオイルを塗って、身体をまんべんなく焼くようです。
オゾンホールが云々される昨今、
紫外線対策の必要性も話題に上るのですが、なんのその。
一度に黄金色に焼くのは相当、難しいらしく、
ただ赤くなる人が多いようなので、
シミもできるだろうし、腫れて痛いだろうなと思います。

いつも通りに、森や川辺の木陰を散歩していると、
その日は天気が良かったらしく、草原に出るや、
あたり一面、水着姿で昼寝をしている一家や
カップルの一群で埋め尽くされているのに遭遇します。
草原の上での日光浴というのは、
アジアの浜辺の風景とは程遠く、
何年過ごしてもまだ、私には違和感があります。

「どうして、そうまでして日光浴するのか?」と聞いたら
冬の日差しが少ないので、
1年分のビタミンDを作っているところなのだ、
大真面目に聞かされたことがあります。
夏の旅行のパンフレットには、日焼けができるように
行き先別に、日照時間が書かれているほどです。


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2007年6月20日(水)

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