伏見緑さんが語る「あなたの知らないドイツ」

第119回
ドイツの最新、冷蔵庫事情…

ずっと使っていた「冷蔵庫」が壊れました。
新しいものを次々と買い換えるよりも、
何でも修理に修理を重ねて使うのを良しとするドイツ。
借りている部屋に置かれていた、
この冷蔵庫も相当、古かったのです。
それがついに壊れてしまい、
買い換える決心をして売り場を訪ねました。
今度は、アジア仕様の普通の
「冷凍冷蔵庫」を買おうと思いながら。

ところで、ドイツ一般家庭の冷蔵庫は、
昔の下宿生用の小さな冷蔵庫ほどの大きさです。
しかも、日本のように温度を自由に調節できる部分や、
急速冷蔵、脱臭機能、自動的に氷を作ってくれる、
庫内は抗菌仕様などという高性能はまず、ありません。
もともと、そういう機能に興味が無いのか、
もっと必要最低限の機能だけの
安い価格のものが欲しいと思うのか…。
それでも、冷蔵だけの機能で400ユーロします。

冬場は、窓の外に置くだけで、凍るほど冷えるのですから、
冷蔵庫そのものには、そう、ご用が無いのは確かです。
また、ハムやチーズも、店頭で塊をスライスしてもらって
2枚、3枚という単位で欲しいだけを注文し、
常に鮮度が高いものを見定めて、
肉屋でこまめに買うのを良しとする習慣があります。
例えば、1週間分の食料をまとめ買いして
冷蔵するなどということを、
最初から全く考慮していません。

ただし、「冷凍庫」は、
冷蔵庫と同じくらいの大きさのものを1台か、
それ以上大きいものを
もう1台地下室に持っています。
祝日連休が多いお国柄なので、店舗が休みになり、
買い物ができない日が多いのです。
その対策で、肉・野菜などの食料を日頃から、冷凍保存しています。
でも、皆が使っている冷凍庫は、
今の日本では、もうすっかり見られなくなった、
20年以上前にあった、霜がびっちり付くタイプ、
冷媒が入った金属管が、庫内を巡っている型が一般的。
時折、通電を止めて中身をすっかり片付け
氷霜を溶かす1日がかりの掃除が年に2、3回必要です。

これまでは、冷蔵庫400ユーロ、
冷凍庫400ユーロと別売りが主体だったところ、
アジア・メーカーが2つを合わせ、霜が付かない
高性能の冷凍冷蔵庫を500ユーロと安価で出しました。
ドイツ・メーカーも同じものならちゃんとできる、と
全く同じ価格で似た仕様の
新商品を出すようにも、なりました。


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2007年8月8日(水)

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