伏見緑さんが語る「あなたの知らないドイツ」

第122回
消耗品ほど高級品…

紙やプラスチック製品など、使い捨てにするものほど、
品質にこだわりがあり、
ついでながら、アジアに比べると
価格までウンと高いのがドイツです。
例えば、紙でできているものをよく見ていただければ、
このことが手っ取り早く分ります。

まず、電話会社などから送られてくる
月々の請求書の紙質のよろしいこと!
こんなに厚手の紙、最近の日本ではトンと見たことがない、
と思われるほど、上質紙に印刷されて届きます。
請求書であろうとダイレクトメールであろうと
正式な文書であればあるほど、
がっちり上質な紙に威厳たっぷりに記されてきます。
やっぱりお金が掛かるのか、ダイレクトメールの数が
日本に比べるとずっと少なく感じます。

コンピュータに接続したプリンターや、
コピー機、ファクシミリなど普段印刷でよく使うのは、
一般の家庭用再生紙。
日本と同じくA4の上質紙ではあるのですが、
密度が1平方メートルあたり、80グラム。
500枚入りで、1束700円前後。
時々、日本から送られてくる印刷物と比べると、
ずいぶん厚手のように思っていますが、いかがでしょうか?
値段が高くて、質も良すぎて、本当に勿体無いので、
すぐにプリントアウト、何でも気軽にコピー
という気が全く起きなくなりました。

圧巻は、トイレットペーパー。
3枚重ね、あるいは、4枚重ね以上の厚手の紙に
細かなエンボス加工が施されているお陰で、
長さが短くとも目的を完全に果たせる優れもの。
家庭用商品では、2枚重ねをまだ見たことがありません。
その厚みにして、感心するほどの素早い水溶けの良さ。
アジア品のような薄手1重の商品が、
1度だけ棚に並んだのですが、あっという間に撤去されました。
きっと、ドイツ人には許せない品質だったのでしょう。

そして、ティッシュ・ペーパー、
ポケット・ティッシュはハンカチの、
キッチン・ペーパーはタオルの代わりになるようできています。
ポケット・ティッシュとは、ハンカチ代わりに
1枚だけ取り出し、
その1日をその1枚で過ごすもの、の様子です。
しかも、これらは、水に濡れても、絞っても破れません。
汚れたら、さっさと景気良く捨てますが、
ちょっと水で濡れただけなら、干せば乾いて、
また使えるように出来ています。
昔の日本の上質な和紙の扱いも
きっとこれに似ていたのだろうと思うのですが、
ドイツを超える紙の扱いをまだ他国で見られずにいます。


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2007年8月15日(水)

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