伏見緑さんが語る「あなたの知らないドイツ」

第134回
若いうちにチャレンジ

今年も長い夏休みを楽しんでいる学生さんらしい、
国際色豊かなバックパッカーが
フランクフルトの街中を闊歩する姿が見られました。
大きな荷物を背中に担いで、地図を片手に
2、3人連れでせっせと歩いている姿を見ると、
おや、青春しているなぁ、と
その若さと自由さが羨ましくなります。

若者ができるだけ安価に安全に旅行できるように、
という目的から始まった、
ユースホステルの仕組みはドイツが発祥。
このことからも察しがつくように、
「将来有望な若い世代は、異なる文化に広く興味を示し、
自ら実際の世界を見聞するように…」と、
若い世代を支援する熱い気持ちが
ドイツ社会の根底にあるように思います。

もう一歩、ドイツ社会に近づいて目を凝らしてみると
「(ドイツに住む)将来有望な若い世代は、
できるだけ若いうちに、
自らの人生の可能性を大いに広げるように…」
という支援姿勢も見えてきます。
公的学校の学費がほとんど無料であったり、
子どもや学生用の医療保険だけは
低い金額に抑えられていたりします。
加えて、キンダーゲルドと呼ばれる養育補助費が、
子ども1人あたり毎月150ユーロ、
皆に現金支給されます。
生活費に吸収されてしまうような小額ですが、
あると助かる額でもあります。

誰でもフェアに経験する「若い世代」に照準を合わせ、
「できるだけ若いうちに、
自分の人生の可能性を探り、
それに向かってチャレンジしろ!
その時代が過ぎたら、必ず社会に還元しろ!」
と叱咤激励しているようにもみえます。

ところで、「若い世代」とはドイツ社会では、
何歳くらいまでなのでしょう?
キンダーゲルドの仕組みでは、
現在のところ、大学などに就学中であれば、
「27歳まで」となっています。


←前回記事へ

2007年9月12日(水)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ