伏見緑さんが語る「あなたの知らないドイツ」

第137回
ドイツの預金金利は?

ドイツ人の多くが、せっせと節約・倹約しているのが
よく分かってくると、
貯めた、その後はどうしているの?という
疑問がふつふつと湧いてきます。

節約の苦労が並々ならぬので、全てパッと使って
一瞬で失うというのは考えにくいのです。
「節約する」と「増える」という実績が
裏切られることなく続くから、
あの厳しい生活ができるのでは、と思えてきます。
そういう目で、周囲を見回し、
「ドイツでは、
どのようにしたらお金を増やせるのでしょう?」
とストレートに質問してみると、
やはり「節約、つまり貯める!」
という答えが大抵返ってきます。

例えば、一般人に身近な場所にある銀行の
3ヶ月定期の預金で、
その金利が現在、約3パーセントほどです。
ここ数年来の日本での預金金利の異様さと比べると、
まるで、ずいぶん昔の日本のように
皆が頼りにする預け先となりそうです。

でも、こういう銀行預金では、
満期になるまで途中解約することができません。
そこで、いくらか小さなプラスアルファを
期待しつつ、預金時間が自由になる預け先として、
ドイツの銀行が売る
ファンドの購入という形を教えてくれます。
給与を貰うようになると銀行口座と同時に、
証券口座も開設するのは、ごく一般的なようです。
ただし、バクチ好きとは言えない国民性があり、
リスクを軽減したファンドを買うのが
一番賢いという雰囲気が強くあります。

こういう様子を見ていると、社会全体として、
せっせと溜め込む体制が上手にできあがっているな、
と思います。
この溜め込む体制の片方で、もしも、
世界を見回しながら機敏に運用できる体制という
2本立てで「EUのドイツ」という国が
運営されているのなら、
近年の不況時の対策の立て方は、
さぞ、日本とは違ったことだろう、と思えてきます。


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2007年9月19日(水)

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