伏見緑さんが語る「あなたの知らないドイツ」

第140回
就職先はアジア方面

日本を離れて、自力で欧州に
住んでいらっしゃる日本人の方の中には、
かれこれ10年以上、あるいは、
30年以上住んでいます、とおっしゃる方が
少なくありません。年齢で見ると、
1970年代に青春時代を過ごされた方が
大変、多いように思っています。

大阪で万国博覧会が開催されたのは、
1970年ですから、日本の暮らしの中に
外国の珍しいものがどんどん入り始め、
飛行機に乗って海外旅行に
出かけるようになった時代を体験した方々です。

そして、日本企業が欧州に進出する
時代の勢いに乗りながら、
現地事業を自力で展開するチャンスを得たと
話される姿は、
ドイツ住まいを始めたばかりのような私には
大変、羨ましく見えます。

そして、今ちょうど、この世代の子どもさんが、
社会人として次々と巣立っています。
しかも、就学や就職によって巣立つ先が、
育ちあがった欧州よりも、
むしろ、日本やアジア方面に多いようなのです。

彼らに採用の門戸を開いているのは、
日本企業だけではありません。
日本にある日本企業が
日本人として採用するケースはもちろん、
欧州にある欧州企業に採用され、アジア人として、
日本・中国・インドなどに赴任することも
少なくないようです。

現在のように日本人学校など日本人のための
施設がまだ盛んに開設されていない頃から、
外国暮らしを始め、
そして現地にある学校に通うのは、
親にも子にも、言葉に尽くせぬ苦労や努力が
どれほどたくさんあることでしょう。
1人、2人…と巣立ちの知らせを聞くと、
「それは、本当に良かったね。おめでとう!」、
そういう言葉が思わず溢れ出てきます。


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2007年9月26日(水)

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