伏見緑さんが語る「あなたの知らないドイツ」

第149回
こんなに休みが多い国なんて、病気になりそう!?

日本に住んでいた頃には、
こんな私にさえ、毎日、何らかの所用が積み重なり
スケジュール帳を真っ黒に埋めながら、
分刻みで走り回っていました。
何も予定を入れないで済む日が
月に1日あればよいほうでした。

日本人の、ごく普通の毎日の様子を
ドイツの人に伝えると、彼らは驚き呆れて、
異口同音に、
「そんなに働くと病気になるじゃあないか!?」
と叫びます。そして、頭をふりふり、
「日本って、そんなに毎日、忙しくて休暇がない国なの?
私だったら、病気になるわ…」と言います。
私は、日本人としてドイツの暮らしを始めたとき、
「こんなに休みが多い国なんて、病気になりそう!?」
と叫んだのですが。

何が何でも年間6週間は休むように努めないと、
雇用主が、その責任を問われます。
雇用主が自宅で仕事をしてください、
という契約にならない限り、
自宅に仕事を持ち込むのはもっての外です。
サービス残業は、それそのものが
絶対に許されません。
必要に応じて残業をした分は、
もしも、給与に振り替えられなければ、
休暇日数を増やして振り替えることになります。

私の目線では、「労働」への義務感は、
日本もドイツも同じくらい高いのに、
「時間」の価値観というファクターを置いたとたんに、
何かが、ガラリと180度ひっくり返ってしまいます。

今まで、空っぽだった時間財布に突然、
時間の束を突っ込まれとたん、
その時間の使い方がサッパリ分からない自分にも
戸惑いました。
自分の意識がよほどしっかりしていないと、
「自分の時間を使いこなせない」のです。


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2007年10月17日(水)

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