伏見緑さんが語る「あなたの知らないドイツ」

第160回
のんびりゆっくり優雅に?

アジアで「優雅」という言葉を使うと、
お金リッチでないと、到達できない境地だろう、
というイメージが濃くあるような気がします。
でも、今どきの欧州での「優雅」とは、
お金リッチではなくても、
お時間リッチのゆとりがあるからできること、
のようです。

ごく現実的なものを「まるで夢のように美しく」
素晴らしく上手に表現しようとするときに、
「優雅」とは、魔法の言葉のような
不思議な働きをするように思います。

例えば、アジアの暮らしの中の
「たとえ貧しくとも清く正しく」と表せるものが
欧州では「たとえ貧しくとも毅然と優雅に」
となるのでは、と考えているところです。

欧州の多くの国では、
何かと物入りなので「大金持ち」には
すぐにはなれません。
しかし、「大時間持ち」になら、
望めばほぼ誰でもなれます。
時間があるなら、寸暇を惜しんで走り回るより
「ゆっくり優雅にお金を節約した暮らし」
をしたい、という理想を持つようです。

「何をどう優雅にするか」は、
それぞれの好みによります。
田舎でゆったり住むにも、
音楽を聴きに行くにも、食事をするにも、散歩をするにも、
暮らしの中で何かを
ほんの少しこれを「優雅」にしようと決めると、
なんだか本当にお金リッチに見えてきそうで…。

堅実で心豊かな美しい時間を表すのに「優雅」と、
前向きな表現をちょっと使うだけで
たとえ、毎日の暮らしに
シビアな一面があったとしても、
心が救われることもあるでしょう。
「優雅」さのために知恵を使っても
お金はできるだけ使いたくない、
どうしてもというならば、
賢くお金を使いたい、という本音があります。


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2007年11月12日(月)

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