伏見緑さんが語る「あなたの知らないドイツ」

第163回
今年は寒い冬になりそうです

昨冬のドイツは、異様な暖冬でした。
年が改まっても、暖かい冬が続き、
知らぬ間に春になってしまいました。
これでは、先が思いやられる、
夏にはクーラーがいよいよ必要か…と
誰もが思っていたのに、
その暑さは6月末でパタリと止まりました。

7月に入ると一転、長雨が続く、
晴れ間が少ない、涼しい夏となりました。
そのまま気温はぐんぐん下がって、
8月にはすっかり秋の気配。
それどころか、寒すぎて、例年10月から入る暖房が、
今年は、9月から入り始める始末。
「やっとドイツらしい寒さになったわ!」
と寒さに強い皆は大喜びしています。

景気が良い、金ブタ年で始まった、今年のドイツ。
夏休暇前のスペシャル・ボーナスで、
いくらか久しぶりに懐が温まったのを喜んだ後は、
皆、いつまでも、消費に溺れようとはしない様子。

すっかり寒くなった9月に新しい年度が始まると、
再び節約・倹約の毎日が始まりました。
「寒くなる! 冬が来る!」と察知すると、
浪費を慎む生活に
本能的に戻りたくなるのかもしれません。

ところで、この夏から、ドイツのある銀行窓口で、
アジア株で構成するファンド商品の宣伝が
大衆の目に留まる規模で始まりました。
龍が踊るポスターには、
オーネ・ヤパン(日本市場抜き)の
ハイリスク・ハイリターン商品となっています。
1口50ユーロ、1口単位7月半ばからの販売。

今ごろ?と思われる方が
いらっしゃるかもしれませんね。
類似商品は、以前から存在しています。
しかし、バクチ嫌いの大衆にとっては、
欧州から遠くて、
さっぱり分からないアジアの国の経済に
大事なお金を託すなんて…という雰囲気があります。
それを大衆向けの店頭宣伝で強くアピールするのは、
ドイツにしては、
少し珍しい日常風景に見えました。


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2007年11月19日(月)

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