伏見緑さんが語る「あなたの知らないドイツ」

第164回
アジアってなんて魅力的!

「ドイツ語を勉強するには、
子ども向けのテレビ番組を見ると良いですよ」と
というアドバイスを受けて、
ドイツの子ども番組を見るようになりました。

「アバター 伝説少年アン」というアニメを
ご存知でしょうか?
今年に入ってから、ドイツで繰り返し、
何度も放映されている人気番組です。
このアニメ、素晴らしく
「アジア・カッコ良い!」のです。
そして、欧州人のうち、少なくともドイツ人には、
「おお!アジアってなんて魅力的!」
と思わせてくれる、
カッコ良さに満ちているようです。

このアニメは、主人公アジア人少年アンが、
空気・水・土・火の
4つの仙術を全て得るための修行の旅物語。
舞台は、空気・水・土・火の4大国から
成り立っていたという古代世界。
建物や衣装、自然風景は、中国そのもの。
仙術の動作の原型には、太極拳のポーズを
ふんだんに使っているようです。

主人公がキレの良い動作で仙術を使い、
悪者を退治する姿に、
見る人が正義感に酔うのは、もちろん。
そして、何よりも主人公たちが
自然を構成する四大元素(空気・水・土・火)を
自然のままに操りその力を得る姿が
ドイツ人にはとても「カッコ良い」のです。

その自然界の秘めたパワーを引き出し、
次々と仙術の形として露わにして見せてくれます。
架空の物語の上とはいえ、
「アジア人が持つパワーってこうじゃなくっちゃ!」と
欧州人には無い強さ(?)に魅了されるようです。

ドイツ人や多くの欧州人が長年持っている、
「人間は人間らしく・自然は自然のままに」の
いささかマンネリ気味の自然主義・人間主義。
この中に、アジア・スタイルの仙術が
新風を吹き込んでいるのかもしれません。

こんなにドイツ人にウケやすい、
ダイナミックなアジア・パワーに満ちたアニメを
一体、何処の誰が作ったのかと
字幕に目を凝らしながら、調べなおしてみると
2005年放映開始の
アメリカ(韓国でアニメ化)の作品でした。
この12月から、日本での放映が始まるそうです。


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2007年11月21日(水)

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