伏見緑さんが語る「あなたの知らないドイツ」

第173回
より「お時間リッチ」になる努力

この季節、夜明けは遅く朝8時過ぎ、
日暮れは早く午後4時過ぎです。
冬の朝は、真っ暗で寒いのに、
ドイツ人の出勤の朝の早さは、ピカイチ。
早朝出勤は、文字通り朝飯前!です。

私が住むアパートの周囲には、
生粋のドイツ人家庭が多いのです。
真っ暗な冬の朝でも、朝4時ごろから
階段の上り下り、ドアの開け閉めの音が始まり
遅くとも5時には車のエンジンを掛ける音がします。
ゆっくり8時過ぎに出勤する風景もありますが、
夏も冬も、夜明け前に職場に向かう人の多いこと。

朝ごはんは、ですって?
目玉焼きを作ったり、ハムを焼いたり、
朝の食事のために「加熱調理する」のは
ドイツの朝の風景としてまず期待できません。
こういう「温かい料理」を作るのは、
できるだけ「昼間の明るい時間にすること」です。
子どもはミュズリーと呼ぶ、ドライフルーツや麦、
コーンフレークなどにミルクを掛けて食べるか、
大人は大抵、コーヒーか何かを軽く飲んで、
とにかく、早く家を出るようです。

施設の会議室を使ってドイツ語授業を受けていたとき、
その会議室の予約表を見て、唖然としてしまいました。
朝7時から、あるいは6時半から会議で
使用中となっていました。

また、秋に近くの道路で工事がありました。
ドイツでは、音を立ててもよい時間帯が決まっています。
ガガガ…と地面を掘る大音響をたてる工事開始が、
標準時に1秒違わず毎朝7時ぴったり!
でも、小型ショベルカーを
トラックに乗せて運んで現場到着するのは、
忘れもしない、ぴったり「毎朝5時」でした。
その2時間は、トラックの中でひたすら
コーヒーを飲んで待っていたようでした。

なぜ、こんなに早起きなの、ですって?
それは、ずばり「時間財布の中身をより有効に使うため」。
より「お時間リッチ」になる努力を惜しみません。
朝が早ければ早いほど、その日の仕事に区切りが
ついたところで「さあ、おしまい!」です。
よほど勤務時間帯が決められた職場でない限り、
朝が早ければ早いほど、お昼過ぎか、
冬でも日暮れ前に自由な時間を過ごせます。


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2007年12月12日(水)

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