伏見緑さんが語る「あなたの知らないドイツ」

第185回
ちょうど良いサイズがありません…

木綿製品となれば、アジア人のほうが
ずっと目が肥えています。
良質の木綿製品を使い慣れています。
いくらフランクフルトに量販衣料品店が増えても、
そう質やデザインが良いとは言えないTシャツが
安くとも1枚10ユーロ前後します。

カッターシャツやブラウス、肌着に至れば、
成人用も子ども用もアジアで当たり前の
純粋な木綿製品はとても少ないのです。
あっても非常に価格が高いか、
安いなら混紡であれば良いほう。

たまに北京のショッピングセンターを歩いてみれば、
駐在員家庭の欧米人が買い物に来ています。
顔つきやそのしぐさをみれば、
さすがにドイツ人だけは、一目で分かります。
北京にはドイツ人がほんとに多いのです。
これは、木綿製品が豊富な中国の衣料品売り場では、
きっとドイツ人で溢れかえっているだろう…
と思ったのですが、
なんともったいないほどの閑古鳥。

ドイツの1割しない値段で木綿衣料を買えるなんて、
節約ケチケチ生活、まとめ買い大好きのドイツ人には
もう大感激の売り場…のはずなのに。
たまにショッピングカートを押している人を見ても、
本当に残念そうな、ぐったり顔をしています。
だって、サイズがどれもこれも小さすぎるんですもの!

色や形などデザインがイマイチなんて思っていませんが、
チビTどころか、まず、頭が通りそうにないのです!
アジア人の成人用LLLサイズは、
欧米人のSサイズ!以下かもしれません。
身長を考慮した、裾の長いものがたまにあっても、
体格を考慮したものが無いのです。

男女とも胸囲のサイズがアジア人よりたっぷりなので、
「身幅」が全く足りそうにありません。
襟ぐりもアジア人から見ると
驚くほどたっぷり開けたデザインでなければ、
アジア人にちょうど良い、
Vネック程度の位置に落ち着かないのです。

たまに喜んで買っているのは、
欧米人の精々ローティーンの子どもです。
彼らなら、アジア成人用LLLサイズを
楽しんで着られるでしょう。
いっしょに買い物に来ている母親が、
「私にはムリだわよねぇ…」なんて呟きながら
子どものために成人用LLLサイズのワゴンの中を
かき回しているのですよ!
北京オリンピックのお土産Tシャツ、
欧米人にぴったりのサイズがあればいいなと思います。


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2008年1月9日(水)

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