伏見緑さんが語る「あなたの知らないドイツ」

第190回
みんなちがって、自分が1番!

金子みすゞの詩、
「私と小鳥と鈴と」を時々、思い出します。
「…(略)
鈴と、小鳥と、それから私、
みんなちがって、みんないい。」

最後の1言、「みんないい」に
日本人らしい平等観で、互いに違っていても
「皆、等しく素晴らしさを持っている」と
優しい目線で表現しているのを私は感じます。

もしも、欧州人の詩人がこれを表すなら、
言葉が違ってくるかもしれません。
例えば…、「鈴と、小鳥と、それから私、
みんなちがって、自分が1番!」
そんな、独りよがりな…、無節操な…、
という印象があるかもしれませんね。

「1人1人が誰よりも自分が1番と思うのが肝心。
全員、自分が1番と思っているのが理想でしょ。
誰もが自分が1番になるための、
フェアな権利を持っている」。
みんなちがっているのが良い結論として、
そんな意味表現を持ってきそうに思います。

状態を比べて互いに違っていても、
その人が満足するなら、それで構わない。
満足しないなら、自ら努力せよ、です。
冷たいですか?
それとも、たくましい生き方だと
思われますか?

日本では、「フェア」より
「平等」が大事だったのでは、と思い出します。
日本での皆、一緒に、不公平なくという「平等精神」。
そして、この欧州の「フェア精神」。
似ているようで、なんだかちょっと違います。


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2008年1月21日(月)

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