伏見緑さんが語る「あなたの知らないドイツ」

第192回
多種多様さがあればあるほど…

フランクフルトは、ドイツの都市の中でも珍しく
たくさんの種類の民族・人種の人々が
大勢、行き交う都市です。
こうも多種多様の国々の人が
自由雑多にしかも頻繁に行き交う市街は、
地球上にそう多くないのかもしれません。

そして、路面電車や地下鉄、バスなど
公共の乗り物に乗るたびに、
つくづく感じるのですが、
人間が持つ肌の色、髪の色、目の色も実にさまざま。
皆に共通しているのは、
歳を取れば「白髪になる」ことでしょうか。
どんな肌色、髪色、目の色の人も、
歳をとると白髪が混じります。

黒漆の肌から、褐色の肌、黄色い肌、
白味がかった肌、透けるような肌…。
黒い髪、茶色い髪、赤い髪、金色の髪。
これに赤や緑、黄色にと染め上げた髪色を加えると、
人間の見た目の「個性」だけでも、
人の数だけあると思わざるを得ません。

血を分ける関係となると、
ハーフどころか、何代にも渡って、
幾重にも国籍が交じり合って過ごすのが
欧州人としては自然なようで、
天が創る人の姿は…実にさまざま。
また、眼前を行き交う人の全てが
ドイツ国籍を持ったドイツ人とは限りません。
座席の向こうから聞こえてくる言語は何語だか。
私には判断がつかない場合もあります。

民族数が非常に少ない日本人の視点なら、
この光景を見ながら街中を歩くだけでも、
一体、我が身に何が起こるやらと、
ヒヤヒヤ、ドキドキし続けて疲れそうです。

しかし、見た目の多種多様さがあればあるほど、
人間は、知らず知らず新たな集団ルールを
作ろうとする知恵が働くのかもしれません。
こんな雑多に人が行き交う都市では、
よほどの状況にならないかぎり、
通りすがる人の見た目の姿だけで区別したり、
贔屓したりする、ヒマも理由もない様子です。


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2008年1月25日(金)

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