伏見緑さんが語る「あなたの知らないドイツ」

第197回
ラクできる国は他にあるかも…

日本人がいざEUに住むときに
突きつけれるハードルの高さを
例を挙げながら一生懸命説明したつもりでした。
しかし、欧州人の彼らにとって
理解できた話かどうかは、私にはよく分かりません。

今、振り返るなら、
「そんな高いハードルがあるのに、
どうしてEUに住もうなんて気を起こしたのォ?」
と聞きながら不思議だったろうな、と思います。
「ここに来る前にちゃんと調べたらそんなことくらい
簡単に分かる話じゃないか、
それを承知でEUに来たんだろう?」
と内心呆れていたかもしれませんね。
でも、実際には誰にもそう言われませんでした。

私にとっては、このハードル、
ドイツに来る前の島国ニッポンの中からでは、
サッパリ事情が掴めませんでした。
そもそも、欧州住まいを経験した友人から、
こんな事情を聞いたことがありません。
楽しかった、思い出ができた、
もっと住み続けたかった…そんな明るい話ばかり。
私にとっては、企業などの支援ゼロで
個人が「実際に住んでみて分かった」ことでした。

そして、「冷静に」話を最後まで聞いてくれたあと、
こうすればちょっとはマシになるのでは、と
職探しの手助けや語学的なサポートなど
少しずつ次々と提案してくれました。

しかし、そんな厚意に満ちた手助けを
目一杯受けたとしてももう「時、既に遅し」。
「焼け石に水」だったのです。
これまでにギリギリ捻り出した資金を見ていると、
そんな助けの規模では、贅沢を言わずとも
あまりに不十分過ぎるのがすぐに分かりました。

中途半端な我慢をしながら、
個人出費を増やし続ける理由は、最早、微塵もありません。
何もドイツだけが世の全てではないのです。
世界中を見回せば、手出しの資金を使ってでも、
あと少しはラクに暮らせる国が
他に幾らでもあるのではないかと思いました。


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2008年2月6日(水)

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