伏見緑さんが語る「あなたの知らないドイツ」

第200回
お財布に優しいアジア衣料

アジアにはある便利商品なのに、
欧州には少なく、あれば良いなと思うものの1つに、
高機能性繊維の衣類があります。
1990年頃でしたか、
日本のメーカーがこぞって研究し、
よい成果をあげていたように思います。

防寒性を高める、水蒸気の放出を促すなどの
高機能を持つ繊維が、
スポーツウエアに採用されて、
私が気がつかないうちに、
欧州にも広まっているのかもしれません。

しかし、洗ってハンガーに掛けて乾かすだけで
シワが取れて元通りになる、
形態安定型の洋服は、日本ほど知られていません。
例えば、アイロン掛け無しでOKの、
紳士用のシャツや婦人用ブラウスの売り場が
日本ならどの百貨店にもありました。
そういう商品を欧州の店頭で、
全く見ないというわけではないですが、
探すのは大変難しいのです。
木綿は汚れ、やがてヨタヨタに形が崩れるものという
先入観があり、消耗品の意識があります。
こんなに優れた加工品がある、という認知そのものが
まだ進んでいないな、と思います。

たまに、海外旅行や出張をする人に向けて、
日本の国際空港の売店で見かけるときがあります。
でも、欧州人の体格にぴったり合うサイズを
そこで探すのは難しそうです。

欧州では、風呂やシャワーを使う頻度や、
衣類を洗濯に回す頻度が日本ほど多くはありません。
肌着やシャツ・ブラウスなど
肌に近いところで使う衣類にこそ
少しでも、お金や時間を効率よく使いたくなります。

また、ここでは硬水が強いので、
スチームアイロン用に精製水が
飲料水とは別に販売されています。
クリーニング代はもちろん、
アイロンに使う電気や水も節約できる
「お財布に優しいアジア衣料」。
もらった人が感激するような、
アジアのお土産になれば良いなと思います。


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2008年2月13日(水)

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