伏見緑さんが語る「あなたの知らないドイツ」

第210回
エコが先か?節約が先か?

日本で、買い物袋を持参する、
エコバッグ熱が再燃したそうで、
1つ2千円もした、という
立派なエコバッグを見せてもらいました。
「エコバッグに投資したあと、今からエコする」
という具合に見え、おやドイツと逆だな、と思ったのです。

ドイツ人なら、自分の懐にある、
お金の節約がまず第1優先。
「そんな無駄なことするなんて、けしからん!」が
結果として全てエコに繋がるので、
大変立派に見えるかもしれません。
もちろん、「お金節約しなきゃ!」というより、
「この方が自然に優しいでしょ!」と
優雅に言いまわすのは、皆、とても上手です。
ドイツ人1人1人が、日本人ほど
エコを真剣に意識しているかどうかは、別の問題。

ともかくドイツに住む人、男性も女性も、
老いも若きもこのエコバッグが絶対の必需品です。
でも、私たちが普段、1番良く使っているのは、
1つ1ユーロほどの生成りの薄い木綿の袋です。
洗って繰り返し使える、この木綿袋に、
店舗のロゴや町の名前や風景が印刷されています。
袋からの宣伝効果もバッチリです。
見てくれは、あまり良くないですが、
ワイン3本入れてもOKの丈夫な優れもの。

どうして、皆がこのバッグを持っているか?
というと「エコのため」より「自分のため」です。
ほとんどのレジで、無料の買い物袋をもらえません。
その場で有料袋を買うか、持参した袋がないと困るのです。

お店で毎回、袋代を払うくらいなら、
いつも自分の袋を持っていれば良いし、
お店だって、無料で袋を配るくらいなら
その分、品物を安くするサービスをしてくれた方が、
何より自分の「お財布に優しい」のです。

この布バッグの他では、立派なロゴ入り、
プラスチックバッグ(20セント)もレジで買えます。
これも1度買ったら、繰り返し使うものです。
最近では、アジアから安いプラスチック袋が大量に入るのか、
それとも、お店の景気が良すぎるのか、
レジに無料の袋を置くところが少しだけ増えました。


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2008年3月7日(金)

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