伏見緑さんが語る「あなたの知らないドイツ」

第211回
美容院に行くには度胸が要ります

異国の美容院を初めて訪ねるときには、
大層な度胸が要るものです。
まるで医者に自分の症状を訴えるように
知っている言葉を全部かき集めながら、
自分の好みを美容師さんに伝えなければなりません。

上手く伝わればよいけど、
できなかったらどうしよう…と心配になります。
日本と同じサービスなのかどうかも、気になります。
ドイツ人の美容師さん、アジア人の髪を扱えるのかな?
などと要らぬ疑問も湧いてきます。

そろそろ髪を整えに行きたいなと思っても、
病気のときのように、
身体に痛みや発熱の苦しみがないので、
億劫になって、ますます先延ばしにしたくなります。

そんな異国に住む日本人のために、
気兼ねなく母国語で自分の好みを告げられ、
日本に居るときと全く同じようにサービスしてくれる
日本人オーナーや、
腕利きの日本人の美容師さんを揃えたお店が、
ドイツにもたくさんあります。

「家族以外の人と日本語で世間話をしながら、
日本と同じサービスを受けられるのは、幸せ。
リラックスできて嬉しいわ!」というお話、
きっと本当だろうな、と思います。
欧州まで勉強に来ている、
熱心な日本人美容師さんがいるお店を
遠くから訪ねる日本人は、少なくありません。

私も、ドイツに来たばかりのときには、
日本人に人気の美容院に行こうかな…と悩みました。
今よりもっとドイツ語を話せないし、聞き取れないので
ドイツの美容院の扉を開けるのは億劫でした。
しかし、この最初の1度目に、
日本人美容師さんがいるお店を訪ねると
この先永く日本人向けサービスの大ファンになってしまう、
自分の姿も見えています。

一生、ドイツの美容院を訪ねようとしないかも…。
そう思うと、見知らぬドイツ世界を
1つ増やしてしまうようで、何だか残念な気がしてきます。
「ええぃ、最初が肝心!」と思い切り、
近所のサンドラ美容院の扉を叩くことを決心しました。


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2008年3月10日(月)

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