伏見緑さんが語る「あなたの知らないドイツ」

第212回
サンドラ美容院を訪ねました

サンドラというのは、アレクサンドラという
ドイツ人によくある女性名の愛称です。
ドイツの美容院も日本と似て、
女性名がお店の名前になることが多いようです。
エイヤッと気合を入れ直して、
近所のサンドラ美容院を訪ねました。
そして、その日から、ドイツの美容院を訪ねる億劫さが
魔法のように消えました。

町の商店街や散歩道の途中に、小さな美容院があります。
ちょうど、日本の床屋さんのような雰囲気です。
そして、大抵、1つのお店が男女双方の髪を扱っています。
扉を開けて、男性客も女性客も次々と入ってきます。
私が訪ねた、サンドラ美容院もそんなお店でした。

時間待ちのためのソファは、
ほとんどのお店で置いていないのですよ。
扉を開けて、「髪を切ってください」とお願いすると、
さあ、どうぞ、ここでお待ちくださいね、と
大きな鏡の前にある、散髪用の椅子を勧めてくれました。
皆も、こんにちは!と扉を開けて入ってくると
自分で空いている散髪椅子を見つけて座ります。
そして、雑誌を広げたり、世間話をしたりして、
自分の順番が回ってくるのを待っています。

感心なことに順番争いが起きません。
顔見知りのお客さん同士が多いのでなおのこと、
あの人よりも私が先のお客だった、後だったというのを
お客同士で覚えたり、確認したりして、
美容師さんに告げています。

新顔だからと言って、あまり嫌がられません。
人種によって髪色も髪質も大きく違うだろうに、
ドイツの美容師さんは、手馴れたもの。
細い金髪も太い黒髪も、一向に気にする様子がありません。
「さあ、お次の方どうぞ!どなたかしら?」
とお店の人が気軽に声をかけてくれます。

「私よ!」とか「僕だ!」などと言って、
椅子に座って待っている誰かが手を挙げて合図します。
もしも、その時間に合わせて予約を入れていれば、
予約を入れていた人が優先されます。


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2008年3月12日(水)

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