伏見緑さんが語る「あなたの知らないドイツ」

第219回
自分で髪を乾かしますか?

ドイツの美容院の洗髪台には、
スープ皿のように小さなシンクしか付いていないので、
髪を洗うために使う水量が
どれほど、少ないかご想像いただけると思います。

まず、スープ皿のような浅くて小さなシンクの中に
髪をまとめ入れます。
そして、シャワーの先から、
ようやく水が滴り落ちる程度の水量で、
チャプチャプと溜まり水で濡らすようにしながら、
シャンプーとリンスを使って髪を丁寧に洗ってくれます。

しかも、その湯の温度、日本人の感覚では、まさに水!
熱いアルカリ性の硬水では、脂が抜けすぎてしまうので、
ドイツ人、髪や身体を洗うのに、
日本人が好むような熱めのお湯を使いません。
ドイツ人のシャワー温度の低さを噂には聞いていたものの、
美容院でそれを初めて体験しました。

日本人なら、「冷たい!」と思うその温度で、
まず間違いなく
「お客様、お湯の温度は“熱く”ありませんか?」
と聞いてくれます。
「今、冷たいじゃなくて、
熱いって聞いたわよね!?」と
初めてそれを聞いたときには、耳を疑いました。

しかし、この程度の感覚の違いならば、
私には「郷に入らば郷に従え!」の異文化体験ゾーン。
大抵、「これでOK!」と答えることにしています。
ゆっくり洗髪してもらいながら、
彼らが、日本の美容院を訪ねて、
熱めの湯をザアーッと勢いよく大量に使って洗髪されると、
さぞ、びっくり仰天するだろうなぁ、
などと考えてしまいます。
彼にとっては、日本人が使う水量も水温も
「信じられないほど、もったいない!」ことでしょう。

そしてカットが終わると
「自分で髪を乾かしますか?」と聞いてくれます。
まだ、私はこの部分を試していませんが、
お店のドライヤーを使って自分で乾かすと、
ほとんど無料か、うんと安く済むのだと思います。

「いいえ、あなたが乾かしてください」と注文すると、
ドライのために5ユーロほど加算されます。
美容師さんがブラシとドライヤーを使って
ゆっくり丁寧に乾かし、
整髪剤を使って上手に仕上げてくれます。


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2008年3月28日(金)

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