伏見緑さんが語る「あなたの知らないドイツ」

第220回
ドイツでのお誕生日には…

当たり前だと考えている生活習慣が
ところ変われば、大きく変わることがあります。
お誕生日の迎え方がその1つ。
誰にもある、1年のうち1日だけの特別な日、「お誕生日」。
ドイツでの誕生日の祝い方を教えられたときには、
え!ホントウ!?と驚きました。
祝う方も、祝われる本人にも
「お誕生日」って、この国では本当に大事です。

まず、何が何でも気をつけなければならないのが、
周りの人が「お誕生日おめでとう!」と
お祝いを言うタイミングです。
これは、お誕生日の「当日」か、
「当日以降」でないと「絶対にダメ!」だそうです。
「慶び事は、早めのお祝いが良し」とされる
日本の習慣とは、まるで逆さまですね。

ドイツでの「お誕生日おめでとう!」という言葉には
まるで魔法の呪文ように、不思議なパワーがあるそうです。
その言葉のパワーを大幸運を招くために使うには、
必ず、当日か、少なくとも当日以降に
「お誕生日おめでとう!」と言わなければなりません。
お誕生日を迎えたご本人が、
「お誕生日おめでとう!」という言葉を受け取ると、
素晴らしい幸運に恵まれるのだそうです。

しかし、お誕生日よりも前の「おめでとう!」には、
その言葉のパワーが、逆さに働くのだそうです。
ドイツにいて、「お誕生日おめでとう!」を誤用すると
失礼どころではなくなってしまうという次第。
おやまあ、そんなに神経を使う言葉だなんて、
日本にいたときには、想像さえしていませんでした。
でも、お誕生日を迎えるその人、1人のことを
大事に想い慕う気持ちがよく分かる、
なんだか素敵な習慣ですね。

そして、たくさんのお祝いの言葉を贈られた本人は、
大人であればあるほど、これまた大変です。
「今日は、私のお誕生日なの!」とか、
「この前の日曜日に、私のお誕生日だったので!」と
皆に、大判振る舞いをしなければなりません。

大判振る舞いために、ご本人が用意するのは
大抵、お誕生日ケーキです。
自分で誕生日ケーキを焼いて持ってくる人もいれば、
ベーカリーで買ってきて、配る人もいます。
最近では、ケーキ代わりに、
お寿司を用意するのも、とても喜ばれるそうですよ。


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2008年3月31日(月)

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